成功するためには失敗しなければならない!トライ&エラーの重要性

小さくチャンレンジし、たくさん失敗して、良くなるまで何度も繰り返す「トライ&エラー」は、最強の成功法則と言えるかもしれません。

「マシュマロ・チャレンジ」では幼稚園児が高い成果を出す

「マシュマロ・チャレンジ」と呼ばれる簡単なゲームがあります。これは、マイクロソフト社のピーター・スキルマンが、創造性を鍛えるための課題として考案しました。

ルールは

  • スパゲッティ 20本
  • マスキングテープ 1メートル
  • 紐 90センチ
  • マシュマロ 1個

という材料を使って、マシュマロを頂点としたタワーをつくります。

4人チームで制限時間は18分、マシュマロの位置の高さを競います。

スキルマンはこれを5年以上にわたって実施し、さまざまな人たちの創造性をチェックしてきました。どのような人が、この「マシュマロ・チャレンジ」において高い成績を上げるのでしょうか?

最も好成績なのは、当然かもしれませんが建築家とエンジニアでした。彼らは、材質や幾何学構造についての知識を持っていたからです。

そして、最も失敗しやすい傾向があったのはMBA(ビジネススクール)の新卒者でした。彼らはあれこれ議論して方法を考え出しますが、最後の組み立てる段階でうまくいかなかったり、完成してもぱっとしない建造物でした。

驚くべきことに、幼稚園児たちは大人たちの平均よりもずっと高い成果を出しました。6歳ほどの年齢の彼らの方法は、とにかく作っては壊し、作っては壊し、時間切れになるまでそれを繰り返すことです。定められた道筋がない場合には、このやり方が勝利をおさめます。まだ深い思考はできなくとも、トライ&エラーが圧倒的な創造力を生み出すのです。幼稚園児たちは良い結果を残しただけでなく、最も独創的で面白い建造物を生み出す傾向にありました。

有効な方法がわからない状況では、とにかく作ってみて、たくさん失敗しながら、一番よいものを見極める、というやり方が最も効果をあげるのです。

小さく試すことの重要性

もちろん、現実は「マシュマロ・チャレンジ」のように簡単ではありません。そう何度も作って壊してを繰り返すわけにはいかない場合もたくさんあるでしょう。

しかし、いかに小さく作ってたくさん試せるかが頭の使い所でもあるのです。

アメリカを代表するコメディアンであるクリス・ロックの一時間番組は、天才的なジョークで爆笑を巻き起こします。彼は即興で喋っているように見えながら、実は入念に検証したネタを使っています。

クリス・ロックは、メモ帳を片手に地元のコメディ・クラブへ飛び込みで行き、そこでネタを披露して観客の反応をテストします。ウケるネタもあれば、無様にスベるネタもあります。場が静まり返ったとき、観客はクリス・ロックがステージで失敗したと思って観ているかもしれませんが、これは必要なチャレンジです。現場での検証をくぐり抜けた選りすぐりのジョークが、テレビで流れることになるのです。

初めから完璧なネタを書いて大舞台に上がれる傑物も何人かいることにはいる。だがほかの皆は小さな舞台でデモンストレーションしながら仕上げていく。これが本当に骨が折れて……。だけど、もし失敗が許される場所がなかったら、無難でパンチに欠けるネタばかりになってしまうんだ

とクリス・ロックは言います。

たまに、事前の予想がいい意味で外れて、これはウケないだろうと思っていたジョークが爆笑の渦に包まれることがあります。そのようなときこそ、一段階上に進むためのチャンスなのです。

だからこそ、お笑い芸人などの職業にとってトライ&エラーがしやすい場所(劇場)は重要な役割をはたしているのでしょう。

発明家で作家のスティーブン・ジョンソンは、特許記録の歴史を研究した結果、「単純に量の多さが質の高さにつながる」と指摘しています。とにかくたくさん試してみることは、幼稚園児が大人を凌ぐほどの効果を発揮するのです。

頭の中でじっくり考えることに労力を使うよりも、たくさんのトライ&エラーをこなすことにリソースを割いたほうが、成功に近づきやすいということです。

さまざまなものに挑戦してみる

同じ課題を試すだけでなく、いろんなことを試してみるのも重要です。

『小さく賭けろ!』の著者ピーター・シムズは

成功する企業は、最初から卓越したアイデアに賭けているわけではない。彼らは、それを発見する。自分たちがすべきことを発見するために、たくさんの小さな賭けをするのだ

と述べています。

動画投稿サイトのYouTube(ユーチューブ)は、実はもともとはビデオを使った出会い系サイトでした。動画でデート相手を探すものだったのですが、出会い目的ではあまり使われず、出会いとは関係ない動画をアップロードするユーザーが現れはじめました。そこで創業者はもとの路線を変更し、「動画共有サービス」としてのYouTubeを試すことにしました。それが今の大成功につながっています。

Googleも最初は図書館の蔵書検索サービスだったし、Facebookの前身は人の顔写真を並べてどちらがイケてるのか試す遊びでした。

シリコンバレーでは昔から「早く失敗して、損害を小さくしよう」と言われてきました。大ヒットするアイデアが、たくさんの挑戦と失敗から生まれることを知っているからです。

また、キャリアと無関係のことに挑戦してみることも成功につながります。専門外のものに手を伸ばすことは、大きな成功と相関関係にあるのです。

例えば、成果を出している科学者は、専門外の趣味を、平均的な科学者とくらべて二倍近く持っているそうです。そして、ノーベル賞を受賞した科学者ともなると、平均的な人の三倍もの趣味を持っています。

専門外の課題にチャレンジしてみることは、ものごとを別の視点から眺めて、思い込みにとらわれず解決策を見出すことに役立ちます。

バットマンになる必要はない

バットマンは、何度も映画化されているアメコミのスーパーヒーローの一人です。彼は、闇の戦士(ダークナイト)と戦いを繰り広げ、負けることは許されません。

ボクシングの試合であれば、例えば30戦29勝1敗というのはすごい記録ですが、バットマンの場合は1敗したときに試合を止めてくれるレフリーはおらず、一度の敗北で殺されてしまいます。

スーパーヒーローは失敗を許されないのです。しばしばフィクションの世界で、卓越した人物は絶対に失敗をしないように描かれます。負けることの許されない激的な場面をくぐり抜けて大団円になるケースが多いのです。

そのためか、わたしたちはまるでバットマンのように一度も負けてはならないようにふるまってしまいます。

しかし、わたしたちは必ずしもバットマンのようである必要はありません。何度も失敗し、負けながら学んでいくのが、最も人間らしく成功しやすい方法なのです。

乗り越えるべき課題がわたしたちを強くしてくれる

カナダの主要都市であるトロント市は、アライグマの獣害に悩まされています。

アライグマたちのゴミ箱を漁る能力は凄まじく、ゴミを撒き散らされるという深刻な被害を受けます。人間たちは、ゴミ箱のフタを固定したり、ゴミ箱を隠したりと、さまざまな手を尽くしました。しかし結局はアライグマたちに破られてしまいます。

さまざまなゴミ箱を開発したりなど、市をあげて10年以上問題に取り組んできてもなお、アライグマには敵いません。

アライグマの脳は小さいのですが、とにかくトライ&エラーを繰り返します。人間が知恵をしぼって生み出した最新式のゴミ箱に遭遇しても、何度も挑戦し、やがては障害を突破するのです。

米国心理学会のサイトには、「アライグマは、人間が生活圏を拡大するとともに後退したのではなく、なおいっそう繁殖したので人びとの注目を集めた」と記されているそうです。

トロント市に住むアライグマと自然のアライグマの問題解決能力が比較研究されたそうですが、野生よりも都市部にいるアライグマのほうが優れていました。

防御が施されたゴミ箱という「乗り越えるべき課題」が、アライグマにトライ&エラーの機会を与えることで、アライグマをますますやっかいな存在に成長させてしまったのです。

トライ&エラーの機会は、アライグマにも、わたしたちにも、大きな成長の機会を与えてくれます。失敗できない場所に踏みとどまって頑張るよりも、さまざまな試みのできる環境に足を運ぶのがよいのでしょう。

まとめ

  • とにかくやってみて、失敗しても良くなるまでやり続ける「トライ&エラー」は、解決策のわからない問題に対して非常に有効
  • 小さく試せる場所や、たくさんチャレンジできるような課題を探そう

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